『医療保険』による訪問看護 ~精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)の加算6種類~

精神科訪問看護基本療養費とは精神科訪問看護指示書の指示期間内に実施した訪問看護に対する報酬のことで、簡潔に説明すると基本料金ということになります。

基本料金があるということは・・・それとは別で掛かる費用=「加算」というものも存在します。

そこで今回は、精神科訪問看護基本療養費の加算について説明をしていこうと思います。

難しい内容になりますが、最後までお付き合いください!!

精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)の加算6種類

規定する要件を満たせば、各種加算を算定することが出来ます。

精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)における加算のうち、精神科緊急訪問看護加算、長時間精神科訪問看護加算、夜間・早朝訪問看護加算または深夜訪問看護加算、特別地域訪問看護加算の4種類の算定要件は訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)と同じです。

複数名精神科訪問看護加算、精神科複数回訪問看護加算の2種類は、要件や職種、報酬額に違いがあります。また、乳幼児加算はありません。

精神科緊急訪問看護加算 

精神科緊急訪問看護加算=2,650円/日 (1日につき1回限り)

精神科緊急訪問看護加算は、精神科訪問看護計画に基づき定期的に行う訪問看護以外で、利用者や家族等の緊急の求めに応じて、主治医(精神科を標榜する保険医療機関において精神科を担当する医師)の指示により、連携する訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を行った場合に1日につき1回限り算定することが出来ます。

留意点

  • 24時間往診および訪問看護により対応できる体制を確保すること。
  • 24時間連絡を受ける医師または看護職員の氏名・連絡先電話番号など、担当日・緊急時の注意事項、往診担当医および訪問看護担当者の氏名などについて、文書により利用者に提供すること。

長時間精神科訪問看護加算 

長時間精神科訪問看護加算=5,200円/回

長時間精神科訪問看護加算は、下記の長時間を要する利用者に対して、1回の訪問看護の時間が90分を超えた場合、一人の利用者に対し、週1回(下記の③および15歳未満の②については週3回)に限り算定することが出来ます。

  • ①特別訪問看護指示書に係る訪問看護を受けている者
  • ②特別管理加算を算定する者に該当する利用者(15歳未満の小児は週3回まで算定可能)
  • ③15歳未満の超重症児または準超重症児(週3回まで算定可能)
留意点

  • 加算を算定した日以外の日に、90分を超える訪問看護を行った場合は、「その他の利用料」を受け取ることが出来る。
  • 超重症児および準超重症児とは、超重症児(者)判定基準による判定スコアが10以上のものをいう(訪問看護療養費明細書の備考欄へ記載)。

複数名訪問看護加算

①1日に1回:4,500円、1日に2回:9,000円、1日に3回以上:14,500円

②1日に1回:3,800円、1日に2回:7,600円、1日に3回以上:12,400円

③1日に1回:3,000円

複数名精神科訪問看護加算は、同時に保健師または看護師と他の保健師、看護師、准看護師、作業療法士、看護補助者、精神保健福祉士との同行による訪問看護を実施した場合(30分未満の場合を除く)に加算することが出来ます。

なお、この場合、職種と1日に訪問する回数によって、加算額の違いと算定日数の制限があります。

留意点

  • 利用者またはその家族の同意を得ること。
  • 複数のうち、1人以上は保健師または看護師であること。
  • 看護師等と同行する看護補助者は、常に同行の必要はないが、必ず患者宅において両者が同時に滞在する一定の時間を確保すること。

精神科複数回訪問看護加算 

精神科複数回訪問看護加算=1日2回:4,500円、1日3回以上:8,000円

精神科複数回訪問看護加算は、保険医療機関で精神科在宅患者支援管理料ⅠまたはⅡを算定する利用者に対して、訪問看護ステーションが1日2回または3回以上の訪問看護を行った場合に算定することが出来ます。

留意点

  • 1日に3回以上訪問した場合の算定は、精神科訪問看護基本療養費+8,000円であり、基本療養費+4,500円+8,000ではない。

夜間・早朝訪問看護加算または深夜訪問看護加算

夜間・早朝訪問看護加算=2,100円/回   深夜訪問看護加算=4,200円/回

夜間・早朝訪問看護加算および深夜訪問看護加算は、利用者または家族などの求めに応じて、夜間や早朝、深夜に訪問看護を行った場合に、それぞれの所定額を加算することが出来ます。

留意点

  • 具体的な時間夜間(18時~22時)、早朝(6時~8時)、深夜(22時~6時)。
  • 訪問看護ステーションの都合により、当該時間に訪問看護を行った場合には算定出来ません。
  • 本加算を算定せずに、営業時間以外の差額料金(その他の利用料)を徴収することは出来ません。
  • 緊急訪問看護加算との併用は可能です。

特別地域訪問看護加算

特別地域訪問看護加算=基本療養費の50/100

以下の要件を満たす訪問看護ステーションの看護師等が、その所在地から利用者宅までの訪問に、最も合理的な、通常の経路および方法で片道1時間以上要する利用者の訪問看護を行った場合に加算することが出来ます。

  • 「厚生労働大臣が定める地域」に所在する訪問看護ステーションの看護師等が指定訪問看護を行う場合
  • 「厚生労働大臣が定める地域」以外に所在する訪問看護ステーションの看護師等が当該地域に居住する利用者に対して指定訪問看護を行う場合
厚生労働大臣が定める地域

  • 離島振興法の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域
  • 奄美群島振興開発特別措置法に規定する奄美群島の地域
  • 山村振興法の規定により振興山村として指定された山村の区域
  • 小笠原諸島振興開発特別措置法に規定する小笠原諸島の地域
  • 沖縄振興特別措置法に規定する離島
  • 過疎地域自立促進特別措置法に規定する過疎地域
留意点

  • 交通事情等特別の事情により片道1時間以上となった場合は算定出来ません。
  • 本加算を算定する場合は、毎回、訪問に要した時間を訪問看護記録書に記載すること。
  • 「厚生労働大臣が定める地域」に該当するか否かは、地方厚生(支)局に確認しましょう。

加算まとめ

これまで説明してきた加算について見易く表にまとめてみました。

加算項目制限加算
精神科緊急訪問看護加算1日につき(1回に限り)2,650円
長時間精神科訪問看護加算90分を超える場合、週1回に限り5,200円
複数名訪問看護加算
(30分未満の場合を除く)
原則、週3日まで
(特別指示の場合制限なし)
①保健師または看護師+他の保健師、看護師または作業療法士1日に1回:4,500円
1日に2回:9,000円
1日に3回以上:14,500円
②保健師または看護師+准看護師1日に1回:3,800円
1日に2回:7,600円
1日に3回以上:12,400円
週1回まで③保健師または看護師+看護補助者または精神保健福祉士3,000円
制限なし上記①②で、厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)、厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する場合、精神科特別訪問看護指示書による場合
精神科複数回訪問看護加算1日2回訪問4,500円
1日3回以上訪問8,000円
夜間・早朝訪問看護加算
または深夜訪問看護加算
夜間(18時~22時)、早朝(6時~8時)2,100円
深夜(22時~6時)4,200円
特別地域訪問看護加算通常の経路・方法での訪問で、片道1時間以上を要する場合
厚生労働大臣が定める地域に事業所が所在
厚生労働大臣が定める地域の利用者に訪問
基本療養費の50/100

おわりに

今回は精神科訪問看護基本療養費の加算ということで、基本のお金とは別に規定された条件を満たすことで算定出来る加算の話をさせていただきました。難しい内容やあまり触れる機会のない内容も多いので見返しながら理解していっていただければと思います。

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。