『医療保険』による訪問看護 ~診療報酬の算定制限~

診療報酬の算定にはルールがあり、どのような状況でも算定出来るわけではありません。

そこで、今回は「診療報酬の算定制限」について話していこうと思います。

色々と細かいルールが多く難しい内容になりますが、最後までお付き合いください!!

訪問看護基本療養費の算定

訪問看護基本療養費を請求することを「算定」と言います。

算定は原則1人の利用者に対して1ヵ所の訪問看護ステーションに限られます。

※以下の場合には2ヵ所または3ヵ所の訪問看護ステーションが訪問看護基本療養費を算定することが出来ます(ただし、同一日には算定出来ません)。

2ヵ所の訪問看護ステーションが算定出来る場合

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)、厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する者。
  • 特別訪問看護指示書の交付対象者であって、週4日以上の訪問看護が計画されている者。
3ヵ所の訪問看護ステーションが算定出来る場合

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)、厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する者であって、週7日の訪問看護が計画されている者。

加算にかかる算定制限

2ヵ所または3ヵ所の訪問看護ステーションが1人の利用者にサービス提供している場合、訪問看護基本療養費はそれぞれの訪問看護ステーションで算定することが出来ますが(同一日を除く)、加算については1ヵ所の訪問看護ステーションしか算定出来ないもの複数の訪問看護ステーションが算定出来るものがあります。

1ヵ所のステーションしか算定出来ない加算

24時間対応体制加算
長時間訪問看護加算 ⇒ 異なる週であれば各ステーションが算定可能
複数名訪問看護加算 ⇒ 異なる週であれば各ステーションが算定可能
退院時共同指導加算 (※)
退院支援指導加算
訪問看護ターミナルケア療養費1、2
訪問看護情報提供療養費1、2、3

(※)厚生労働大臣が定める別表7、8に該当する者については、複数日であれば1人の利用者につき月2回まで算定可能であり、それぞれを2ヵ所のステーションで1回ずつ算定することが出来る

複数のステーションが算定可能な加算

特別管理加算
特別管理指導加算
緊急訪問看護加算
乳幼児加算
夜間・早朝訪問看護加算または深夜訪問看護加算
難病等複数回訪問看護加算
特別地域訪問看護加算
在宅患者緊急時等カンファレンス加算
在宅患者連携指導加算

入院(入所)日・退院(退所)の訪問看護

医療機関、介護老人保健施設、介護医療院、短期入所療養介護、短期入所生活介護の入院、入所、退院、退所日については訪問看護基本療養費の算定は出来ません

ただし、訪問看護を行った後、緊急に入院、入所をすることになった場合は算定することが出来ます

また、医療機関からの退院当日の訪問看護については、厚生労働大臣が定める別表7、8に該当する利用者や退院日の訪問看護が必要であると認められた者(訪問看護指示書に記載)は退院支援指導加算を算定することが出来ます。

同一日の算定

複数の実施主体による同一日の訪問看護の算定が可能な場合

複数の訪問看護ステーション、訪問看護ステーションと病院・診療所、複数の病院・診療所からの訪問看護について、同一日の訪問看護は原則算定出来ません。ただし、以下の場合は算定が可能となります。

複数の訪問看護の組み合わせが
認められる場合
訪問看護ST
×
訪問看護ST
訪問看護ST
×
病院・診療所
病院・診療所
×
病院・診療所
同一月同一日同一月同一日同一月同一日
別表7、別表8
特別訪問看護指示書、
精神科特別訪問看護指示書の交付
〇(※2)〇(※2)
退院後1ヵ月(精神科訪問看護・指導料を
算定している場合は、退院後3ヵ月)
〇(※3)〇(※3)〇(※6)
専門の研修を受けた看護師との共同〇(※6)
精神科重症患者支援管理料を算定〇(※5)
精神保健福祉士が精神科訪問看護・
指導料を算定(※1)
〇(※4)
  • ※1:精神科重症患者支援管理料にかかわる届出を行っている保険医療機関が算定する場合に限る
  • ※2:週4日以上の訪問看護が計画されている場合に限る
  • ※3:病院・診療所側は患者が入院していた保険医療機関の場合に限る
  • ※4:精神科訪問看護・指導料および訪問看護基本療養費を算定する日と合わせて週3日(退院後3ヵ月以内の期間において行われる場合にあっては週5日)を限度とする
  • ※5:保険医療機関が精神科重症患者支援管理料1を算定する場合は特別の関係にある訪問看護ステーションと連携する場合であって、病院・診療所からの訪問看護が作業療法士または精神保健福祉士の場合に限る
  • ※6:特別の関係の場合を除く

特別の関係にある医療機関との同一日の算定

訪問看護ステーションと特別の関係にあり、かつ、訪問看護指示書を交付している医療機関からの往診料、在宅患者訪問診療料を算定している日には訪問看護基本療養費の算定は出来ません。しかし、以下の場合は算定が可能です。

  • 訪問看護実施後に利用者の病状急変等で往診が行われた場合
  • 利用者が保険医療機関等を退院後、ひと月を経過するまでの場合
  • 在宅患者訪問褥瘡管理指導料の算定に必要なカンファレンスを実施する場合であって、利用者に対して継続的な訪問看護を実施する必要がある場合(ただし、在宅患者訪問診療料、在宅患者訪問栄養食事指導料を算定する場合に限る)
特別の関係とは

保険医療機関等(訪問看護事業者、保険医療機関、介護老人保健施設)と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合、特別の関係にあると認められます。

  • ①当該保険医療機関等の開設者が、当該他の保険医療機関等の開設者と同一の場合
  • ②当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者と同一の場合
  • ③当該保険医療機関等の各代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者の親族等の場合
  • ④当該保険医療機関等の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、一方の当該他の保険医療機関等の役員等の3/10以上が親族等の場合
  • ⑤①~④に掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関等が当該他の保険医療機関等の経営方針に対して、重要な影響を与えることが出来ると認められる場合に限る)

親族等とは、親族関係を有する者および、以下に掲げるものを言います。

  • 事実上婚姻関係と同様の事情にある者
  • 使用人および使用者以外の者で当該役員等から受ける金銭、その他の財産によって生計を維持している者
  • ①~②に掲げる者の6親等内の血族および親族でこれらの者と生計を一にしている者

おわりに

今回は診療報酬の算定制限についてお話ししました。細かいルールが多く難しい内容でしたね。必要な時に見直して参考にしていただけると嬉しいです。

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。