『医療保険』による訪問看護 ~利用者負担金と診療報酬請求の流れ~

この記事では利用者負担金と診療報酬ついてお話ししていきます。請求関連の内容になるので、少し応用編です。

「お金の支払いは??」 「診療報酬の請求の流れは??」 などと言った疑問を解決をしていこうと思います。

この利用者負担金と診療報酬請求については、管理職や事務職以外のスタッフが触れる機会はあまりないと思いますが、どのスタッフも知っていて損はない知識です。

この機会に少しでも知識を増やし、今後に活かしていただけたら嬉しいです。ぜひ最後までお付き合いください!!

利用者負担金

訪問看護を受けた場合、訪問看護ステーションに利用料として負担金を支払います。医療保険の場合の利用料は「基本利用料」と「その他の利用料」に分けられます。訪問看護を開始する前に、訪問看護ステーションは利用者に対して利用料についての説明を行い同意を得る必要があります。また、費用が記載された領収書を交付する義務があります。

基本利用料

基本利用料は、通常の訪問看護に対する基本的な利用料で、利用者の加入する医療保険と所得額に応じて1~3割となります。負担割合については本人の医療保険被保険者証で確認することが出来ます。医療費の利用料計算での端数処理については10円未満は四捨五入となります。

その他の利用料

その他の利用料は、通常の訪問看護以外に対する利用料で、利用者が希望する特別の訪問看護に対する「差額費用」と、訪問看護以外のサービスに対する「実費負担」の2種類があります。

※差額費用については訪問看護ステーションが額を定めることが出来ますが、訪問看護基本療養費の額を基準とした社会常識上妥当で適切な額でなければなりません。

差額費用:訪問看護ステーションが定める額を支払う

  1. 平均的な時間(1時間30分)を超える訪問看護 (※長時間(精神科)訪問看護加算を算定する日は除く)
  2. 訪問看護ステーションが定める営業日以外の訪問看護
  3. 訪問看護ステーションが定める営業時間外の訪問看護 (※夜間・早朝訪問看護加算または深夜訪問看護加算を算定する日は不可)

実費負担:実費相当額を支払う

  1. 訪問看護に関わる交通費
  2. おむつ代などの日常生活上必要な物品の費用
  3. 訪問看護と連続して行われる「死後の処置」

診療報酬請求の流れ

請求

レセプト(診療報酬明細書)で1ヵ月ごとに「保険請求」し、サービス提供の2ヵ月後に支払われます。

訪問看護に要する費用は、訪問看護基本療養費として健康保険法および高齢者医療確保法に基づいて支給されます。訪問看護基本療養費はひと月(暦月)単位で、訪問看護療養費請求書と訪問看護療養費明細書(レセプト)により請求を行います。訪問看護サービスを提供した翌月の1~10日までに請求を行い、審査され、請求した翌月に支払われます。

例)4月に提供した訪問看護サービスの費用は、5月に請求し審査され、6月に支給されます。

請求経路

訪問看護基本療養費の請求者は訪問看護事業者です。訪問看護基本療養費の請求先は保険者や後期高齢者医療広域連合ですが、支払いを審査支払機関に委託しています。従って、請求書の提出先は、訪問看護事業所所在地の都道府県の社会保険診療報酬支払基金(被用者保険の被保険者・被扶養者の場合)または都道府県の国民健康保険団体連合会(国民健康保険または後期高齢者医療の被保険者)となっています。

審査

請求した訪問看護基本療養費は、審査支払機関である支払基金または国保連合会で審査されます。

提供したサービスよりも多く請求をしてしまった場合(過請求)は減額された報酬が支払われます。

また、誤って請求している場合(誤請求)は誤った内容や確認すべき事項が記載された付箋が貼られ、レセプトが返還(返戻)されます。改めて正しいレセプトを作成して再請求することになります。再請求をした時点で再度審査されるので、再請求の翌月に支給されます。

有効期限

保険請求の有効期限は2年間、誤請求の返戻は5年間となります。

訪問看護基本療養費の支払いを受ける権利は2年経過すると消滅します。請求し忘れた報酬については2年までであれば請求が可能です。

また、誤請求の返戻は5年間です。つまり、一旦請求審査を通り、支払われている訪問看護基本療養費について誤請求が発見された場合は5年前まで遡って返戻されるので、5年分の請求資料は保管しておくことが大切です。

おわりに

今回は「利用者負担金」と「診療報酬請求」についてお話ししました。今回は応用編で請求関連の内容だったため、これまでより難しいところ、聞きなれないところもあったかと思います。管理職や事務職など、訪問業務以外でのレベルアップを考えている人は覚えておくと良いかもしれませんね!!

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。