『医療保険』による訪問看護 ~診療報酬と訪問看護基本療養費~

「医療保険を使用した訪問看護サービスを受けるのにお金の仕組みはどうなっているのか??」

このように、お金に関わるところは皆さん必ず気にする部分だと思います。

そこで今回は、診療報酬での算定の仕方と訪問看護基本療養費の算定条件と種類についてお話ししていきます。

基本となるお金の話になりますので、ぜひ最後までお付き合いください!!

診療報酬の算定の仕方

訪問看護における診療報酬は、訪問看護ステーションでは「」、病院・診療所では「点(1点=10円)で表されます。

訪問看護ステーションにおける診療報酬は、「訪問看護基本療養費および精神科訪問看護基本療養費とその加算」「訪問看護管理療養費とその加算」「訪問看護情報提供療養費」「訪問看護ターミナルケア療養費」で構成されます。

一方、病院・診療所からの訪問看護における診療報酬は、「在宅患者訪問看護・指導料および同一建物居住者訪問看護・指導料とその加算」「退院前訪問指導料」「各種加算」「在宅(同一建物居住者)ターミナルケア加算」で構成されます。

訪問看護基本療養費の算定条件と種類

訪問看護基本療養費は、訪問看護指示書の交付日から訪問看護指示書に記載された有効期間内に実施した訪問看護に対する報酬のことを言います。

訪問看護基本療養費(Ⅰ)

訪問看護基本療養費(Ⅰ)は、訪問看護を行う職種によって利用者1人1日当たりの額が決まっています。1日単位で支給されるため、1人の利用者に1日2回の訪問看護を行った場合でも1日分しか支給されません。

利用者1人について原則週3日が限度となっています。ただし、「厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)」「厚生労働大臣が定める状態等(別表8)」に該当する場合、特別訪問看護指示書が交付された場合(2週間)は日数の制限はありません。1回の訪問時間は30分~1時間30分程度となっています。

利用者一人(30分~1時間30分)週3日まで週4日以降
看護師や理学療法士等のいずれか5,500円/日6,550円/日
准看護師5,050円/日6,050円/日

訪問看護基本療養費(Ⅱ)

訪問看護基本療養費(Ⅱ)は、同一日に同じ建物に居住する複数の利用者に訪問看護を提供した場合に算定します。

2人の場合と3人以上の場合の2種類があり、2人目までの場合は訪問看護基本療養費(Ⅰ)と同額を算定します。

日数の制限については訪問看護基本療養費(Ⅰ)と同様です。

自宅や施設など週3日まで週4日以降
看護師や理学療法士等のいずれか同一日に2人までの訪問5,500円/日6,550円/日
同一日に3人以上の訪問2,780円/日3,280円/日
准看護師同一日に2人までの訪問5,050円/日6,050円/日
同一日に3人以上の訪問2,530円/日3,030円/日

訪問看護基本療養費(Ⅲ)

訪問看護基本療養費(Ⅲ)は、退院後に訪問看護を受けようとする入院患者が自宅療養に備えて一時的に1泊2日以上の外泊をする際、訪問看護指示書および訪問看護計画書に基づき訪問看護ステーションから訪問看護を実施した場合に算定します。

「厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)」「厚生労働大臣が定める状態等(別表8)」に該当する場合は入院中2回まで、その他外泊に当たり訪問看護が必要と認められる場合は入院中1回まで算定が可能です。

外泊への訪問看護8,500円/回
留意点

  • 要介護者および要支援者であっても医療保険で算定する。
  • 状態の変化等で退院が出来なくなった場合でも算定可能。
  • 特別の関係にある医療機関からの退院の場合でも算定可能。
  • 訪問看護管理療養費および特別地域訪問看護加算以外の加算は算定不可。

専門性の高い看護師による訪問看護

緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア・人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が、訪問看護ステーションまたは在宅医療を行う病院・診療所の看護師等と共同して同一日に訪問看護を実施した場合、月1回を限度として訪問看護ステーションは12,850円、病院・診療所は1,285点で算定します。

対象者は、悪性腫瘍の鎮静療養や化学療法を行っている者、真皮を超える褥瘡の状態にある者、人工肛門もしくは人工膀胱周囲の皮膚にびらん等の皮膚障害が継続または反復して生じている者などです。

主治医からの指示に基づき実施し、共同して訪問看護を行った看護師等とともに訪問看護報告書により主治医へ報告を行います。

訪問看護ステーション病院・診療所
専門性の高い看護師等との同行訪問12,850円/月1回1,285点/月1回

専門の研修を受けた看護師とは、5年以上、緩和ケアまたは褥瘡ケアの看護に従事した経験を有し、それぞれ6カ月以上の適切な専門の研修を修了した者を言います。

適切な専門の研修とは

  • 緩和ケア
    • 日本看護協会の認定看護師教育課程「緩和ケア」「がん性疼痛看護」「がん化学療法看護」「乳がん看護」「がん放射線療法看護」の研修
    • 日本看護協会が認定している看護系大学の「がん看護」の専門看護師
  • 褥瘡ケア/人工肛門ケアおよび人工膀胱ケア
    • 日本看護協会の認定看護師教育課程「皮膚・排泄ケア」の研修
留意点

  • 緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア・人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が配置されていることを地方厚生(支)局支局長に届出をする。
  • 訪問看護管理療養費および特別地域訪問看護加算以外の加算は算定不可。

訪問看護基本療養費まとめ

これまでお話しした訪問看護基本療養費を見易く表にまとめたものが以下になります。

種類職種利用者数週3日まで
(1日につき)
週4日以降
(1日につき)
訪問看護基本療養費(Ⅰ)看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士1人5,550円6,550円
准看護師1人5,050円6,050円
緩和ケア・褥瘡ケアに係る専門の看護師1人12,850円(月1回を限度)
訪問看護基本療養費(Ⅱ)看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士同一日に2人まで5,550円6,550円
同一日に3人まで2,780円3,280円
准看護師同一日に2人まで5,050円6,550円
同一日に3人まで2,530円3,030円
緩和ケア・褥瘡ケアまたは人工肛門・人工膀胱に係る専門の看護師1人12,850円(月1回を限度)
訪問看護基本療養費(Ⅲ)外泊中に指定訪問看護を実施した際に算定1人8,500円

おわりに

今回は診療報酬と訪問看護基本療養費ということで、医療保険を使用した訪問看護サービスを受けるうえで基本となるお金の話をさせていただきました。少し難しい部分もありますが、覚えておいていただきたい内容となっています。

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。