保険のしくみを詳しく解説!!

訪問看護に限らず、看護やリハビリテーションには保険という仕組みが関わってきます。

ただ、多くの看護師やセラピストは保険の仕組みがどのようになっているのか知らずに働いているかと思います。

そんな私も保険の仕組みを知らずに働いていました・・・

そこで今回は、保険の仕組みについてお話しし、少しでも身近に感じていただければと思います!!

看護とお金

看護職が存在していること、また実施する行為はすべて「お金」に関係しています。

看護職は社会にとって有意義であると評価され、それが給与として反映されています。

「報酬」

医療保険や介護保険で支払われるお金は「報酬」と呼ばれます。

行ったケアに対する「報酬」ということで、医療保険では「診療報酬」、介護保険では「介護報酬」と言います。訪問看護では、医療保険、介護保険の両方に関わる為、両方の仕組みをしっかりと理解しておくことが大切です!!

給与はどこから支払われる??

訪問看護ステーションの場合、医療保険と介護保険からの収入がほとんど(約90%)となっており、支出は人件費(約80%)が多くを占めています。

訪問看護ステーションでは、医療保険と介護保険にて訪問を行うことで収入を得て、訪問を行わないと収入は得られないという仕組みなっています。

主に看護師や理学療法士等が利用者宅へ訪問し、看護やリハビリテーション等のサービス提供に対する報酬で、それぞれの専門職に給与として支給されます。

社会保障制度と社会保険

社会保障制度とは、公的責任で国民の「安心」や、生活の「安定」を支えるセーフティネットです。

社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生・保険医療からなり、人々の生活を生涯にわたり支えています。

社会保障制度

◆社会保険◆

年金保険(国民年金、厚生年金、共済年金など)、医療保険(健康保険、国民健康保険、共済組合など)、介護保険、労働者災害補償保険、雇用保険

※国民は強制的に加入となり、保険料を徴収され、病気や老後、障害などの場合に国が一定の給付を行う仕組み

◆社会福祉◆

障がい者、母子家庭、生活困窮者などが安心して社会生活を営んでいけるように公的支援を行う制度

◆公的扶助◆

生活保護法に基づき、国の責任において、生活困窮者に必要な保護を行い自立を助けようとする制度

◆公衆衛生・保険医療◆

国民が健康に生活出来るよう、公の立場から予防、衛生を行う制度

社会保険とは

社会保険は社会保障制度の一つです。

社会保険とは、病気や怪我、退職や失業など人生の様々なリスクに備えて、保険集団を作り、あらかじめ保険料を出し合い、それらのリスクに遭遇した人に必要なお金、サービス提供をする仕組みです。

病気や怪我に備える「医療保険」、加齢に伴い介護が必要になったときに備える「介護保険」、仕事での病気や怪我、失業に備える「労働保険(労災保険、雇用保険)」、歳をとったときや障碍を負った時などに年金を支給する「年金保険」の5つがあり、強制加入の制度となっています。

社会保険の財源は

社会保険の財源は保険料、国庫負担金、一部負担金からなります。

財源は保険料が中心で、被保険者本人、被保険者の職場の事業者も負担します。

保険料以外にも国庫負担金などがあり、医療保険や介護保険の場合は、給付を受ける本人が一部を支払う「一部負担金(利用者負担)」もあります。

日本では、国民すべてが公的な医療保険に加入し、病気や怪我をした場合に「誰でも、どこでも、いつでも」保険を使って医療を受けることが出来ます。社会全体でリスクを分かち合うことで、患者が支払う医療費の自己負担額が軽減し、良質で高度な医療を受ける機会を平等に保障する仕組みです。

老後の社会保障については、国民すべてが国民年金制度に加入し、基礎年金の給付を受けることが出来ます。基礎年金は、老後の生活に必要な基礎的部分の保障として、全国民共通の現金給付を支給するもので、その費用は国民全体で公平に負担する仕組みになっています。

社会保険をもっと詳しく

年金保険

年金保険は、老後など働けなくなった時の収入減少に備える保険です。

サラリーマンや自営業などの現役世代が保険料を支払い、その保険料を財源として高齢者世代に年金を給付するという仕組みです。

全国民は共通して国民年金(基礎年金)に加入し、サラリーマンなどの勤め人は厚生年金または共済年金にも加入します。

基礎年金により老後生活に必要な収入の基礎的部分が保障され、厚生年金や共済年金により給与所得を得られなくなった時の所得が保障される仕組みになっています。

国民年金の基本的な目的は、老後生活に必要な収入の基礎的部分を保障することであり、20歳以上60歳未満の日本に住所のあるひとは加入しなければいけません

国民年金に加入し一定要件を満たしている場合、交通事故などで重度の障害を負った時に生涯にわたって障害基礎年金を受給することが出来ます。

医療保険

医療保険は、すべての国民に医療を提供するための基盤をなる保険です。

国民は公的保険に強制加入し、保険料を納付する義務があり、保険証を提示することで一定割合の自己負担で医療を受けることが出来ます。

一部負担金は、原則かかった医療費の3割ですが、義務教育就学前の子供では2割、70歳以上の者は所得に応じて1割から3割になります。

自己負担分を除いた医療費の大部分は医療機関から保険者に請求されます。

介護保険

介護保険は、2000年から実施されている最も新しい社会保険制度で、介護を提供するための基礎となる保険です。

年齢を重ね病気などで介護が必要になった場合に1~3割の負担で介護サービスを受けることが出来ます。

介護保険の保険者は市区町村で、国と都道府県は市区町村を支援する体制になっています。

介護保険に加入するのは40歳以上の人で、保険料は所得水準に応じて決定されます。

40歳以上65歳未満の医療保険加入者の保険料は、医療保険の保険料と一括して徴収され、65歳以上の高齢者の保険料は、原則として公的年金から天引きされる仕組みとなっています。

介護サービスを使用する際は、市区町村に要介護認定の申請を行い、要介護認定を受ける必要があります。認定を受けることで、介護支援専門員(ケアマネジャー)が心身状態などに応じたサービスを選定し、利用出来るようケアプランの作成、調整を行ってくれます。

労災保険

労災保険は、仕事中や通勤中に災害に遭遇した場合の医療費や休業中の賃金を保障するものです。被災した労働者の社会復帰の促進、被災した労働者及び遺族の援護なども行っています。

労災保険制度は、労働基準法で定める事業主の災害補償責任を担保するための保険制度なので、保険料は全額事業主負担とされています。

正社員、パート、アルバイトなどの雇用形態の種別に関わらず、労働者であれば誰でも保険給付を受けることが出来ます。

雇用保険

雇用保険は、生活・雇用の安定と就職を促進するものです。

政府が管轄する強制保険制度であり、労働者を雇用する事業主が加入します。

雇用保険は、失業、雇用の継続困難、職業教育訓練を受けた場合に、生活・雇用の安定と就職を促すために給付を行います。

また、事業主を対象に、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会増大、労働者の能力開発及び向上、その他には労働者の福祉の増進を図る為の事業(雇用保険二事業)も行っています。

雇用保険の財源は保険料と国庫負担で、このうち失業等給付に充てるための保険料は事業主と労働者本人の折半で負担します。一方、雇用保険二事業の財源となる保険料は事業主のみが負担します。

医療保険の仕組み

医療保険の財源

医療保険は社会保険の一つで、国民がお金を出し合い(保険料)、病気や怪我で医療が必要になった際にそのお金を使うという仕組みです。医療保険の財源は、被保険者負担が1~3割で、残りの7~9割は保険料が使われます。保険料は20歳以上の国民全員が支払う義務があります。

医療保険の種類

国民全員が医療保険に加入しなければなりませんが、年齢や職業によって加入する医療保険組合は異なります。大企業は健康保険組合、中小企業は協会けんぽ(全国健康保険協会)、公務員は共済組合などに分かれます。75歳以上は後期高齢者医療制度に加入します。

医療保険を運営する組織を保険者と呼び、保険者である国民健康保険組合などが被保険者証(保険証)を交付します。

介護保険の仕組み

介護保険の財源

介護保険は社会保険の一つで、2000年に始まった制度です。医療保険同様に、国民がお金を出し合い(保険料)、介護サービスが必要になった際にそのお金を使う(給付)という仕組みです。介護給付(要介護)と予防給付(要支援)に分かれています。

財源は、利用者負担が1~3割で7~9割は公費と保険料です。保険料は65歳以上の第1号被保険者40歳以上65歳未満の第2号被保険者が支払います。

介護保険制度は基本的に3年に1度改正され、保険料や介護報酬額の見直しが行われています。

介護保険の種類

介護保険制度の保険者は市区町村で、介護保険サービスの給付に関わる要介護認定を行い、介護保険被保険者証が交付されます。要介護認定は、65歳以上(第1号被保険者)または特定疾病をもつ40歳以上65歳未満(第2号被保険者)が対象です。

要介護認定調査の結果は、非該当、要支援認定(要支援1,2)、要介護認定(要介護1~5)に判定が分けられます。

16特定疾病

  1. がん(がん末期)
  2. 関節リウマチ
  3. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  4. 後縦靭帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)
  8. 脊髄小脳変性症(SCD)
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症(MSA)
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症(ASO)
  15. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  16. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

おわりに

今回は保険の仕組みについてお話ししました。訪問看護に関係のある保険の仕組みから、生活するうえで必ず関わる保険の仕組みまで、難しい内容が多くあったと思います。私もまだまだ勉強中ですが、この記事を通して、少しでも保険という仕組みを身近に感じてもらえたら嬉しいです。

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。