『医療保険』による訪問看護 ~訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)の加算7種類~

訪問看護基本療養費とは訪問看護指示書の指示期間内に実施した訪問看護に対する報酬のことで、簡潔に説明すると基本料金ということになります。

基本料金があるということは・・・それとは別で掛かる費用=「加算」というものも存在します。

そこで今回は、訪問看護基本療養費の加算について説明をしていこうと思います。

難しい内容になりますが、最後までお付き合いください!!

訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)の加算7種類

訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)における加算は以下の7種類であり、規定する要件を満たすことで該当する加算を算定することが出来るようになります。

緊急訪問看護加算 

緊急訪問看護加算=2,650円/日 (1日につき1回限り)

緊急訪問看護加算は、訪問看護計画に基づき定期的に行う訪問看護以外で、利用者や家族等の緊急の求めに応じ、主治医の指示により連携する訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を行った場合に1日につき1回限り算定することが出来ます。

留意点

  • 診療所または病院が24時間往診および訪問看護により対応出来る体制を確保すること。
  • 診療所または病院において、24時間連絡を受ける医師または看護職員の氏名・連絡先電話番号など、担当日・緊急時の注意事項、往診担当医および訪問看護担当者の氏名などについて、文書により利用者に提供すること。

難病等複数回訪問看護加算 

難病等複数回訪問看護加算=1日2回:4,500円、1日3回以上:8,000円

難病等複数回訪問看護加算は、厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)、厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する者、特別訪問看護指示書が交付された者に対して、必要に応じて1日2回または3回以上、訪問看護を実施した場合に加算することが出来ます。

留意点

  • 1日に3回以上訪問した場合の算定は、基本療養費+8,000円であり、基本療養費+4,500円+8,000ではない。

長時間訪問看護加算 

長時間訪問看護加算=5,200円/回

長時間訪問看護加算は、下記の長時間を要する利用者に対して1回の訪問看護の時間が90分を超えた場合、1人の利用者に対し週1回(下記の③および15歳未満の②については週3回)に限り算定することが出来ます。

  1. 特別訪問看護指示書に係る訪問看護を受けている者
  2. 特別管理加算を算定する者に該当する利用者(15歳未満の小児は週3回まで算定可能)
  3. 15歳未満の超重症児または準超重症児(週3回まで算定可能)
留意点

  • 加算を算定した日以外の日に90分を超える訪問看護を行った場合、「その他の利用料」を受け取ることが出来る。
  • 超重症児および準超重症児とは、超重症児(者)判定基準による判定スコアが10以上のものをいう(訪問看護療養費明細書の備考欄へ記載)。

複数名訪問看護加算

複数名訪問看護加算=看護師等:4,500円/回、准看護師:3,800円/回、

看護補助者:3,000円/回、6,000円/回、10,000円/回

複数名訪問看護加算は、1人の看護師等による訪問看護が困難な場合、次の①~⑥に規定する利用者に対して同時に複数の看護師等や看護補助者による訪問看護を行った場合に加算することが出来ます。ただし、複数で訪問する職種の組み合わせによって、算定日数・算定対象・加算額が異なるため注意が必要になります。

  • ①厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)
  • ②厚生労働大臣が定める状態等(別表8)
  • ③特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者
  • ④暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる者
  • ⑤利用者の身体的理由により一人の看護師による訪問看護が困難と認められる者(看護補助者のみ)
  • ⑥その他利用者の状況等から判断して、①~⑥のいずれかに準すると認められる者(看護補助者のみ)
組み合わせ対象加算算定日数
看護職員+看護師等①②③④4,500円/回週1回
看護職員+准看護師①②③④3,800円/回週1回
看護職員+看護補助者④⑤⑥3,000円/回週3回
看護職員+看護補助者①②③3,000円/1日1回
6,000円/1日2回
10,000円/1日3回以上
制限なし
  • 看護職員=保健師、助産師、看護師、准看護師
  • ※理学療法士等=理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
  • ※看護師等=保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
留意点

  • 複数のうち1人以上は看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)であること。
  • 看護職員と同行する看護補助者は常に同行の必要はないが、必ず利用者の居宅において両者が同時に滞在する一定の時間を確保すること。
  • 利用者またはその家族の同意を得ること。

夜間・早朝訪問看護加算または深夜訪問看護加算

夜間・早朝訪問看護加算=2,100円/回   深夜訪問看護加算=4,200円/回

夜間・早朝訪問看護加算および深夜訪問看護加算は、利用者または家族などの求めに応じて夜間や早朝、深夜に訪問看護を行った場合、それぞれの所定額を加算することが出来ます。

留意点

  • 具体的な時間:夜間(18時~22時)、早朝(6時~8時)、深夜(22時~6時)
  • 訪問看護ステーションの都合により当該時間に訪問看護を行った場合には算定出来ません。
  • 本加算を算定せずに営業時間以外の差額料金(その他の利用料)を徴収することは出来ません。
  • 緊急訪問看護加算との併用は可能です。

乳幼児加算 

乳幼児加算=1,500円/回

乳幼児加算は、6歳未満の利用者に対し訪問看護を行った場合、1日につき1回に限り加算することが出来ます。

留意点

  • 6歳の基準日となるのは誕生日であり、6歳の誕生日から加算は算定出来なくなります。

特別地域訪問看護加算

特別地域訪問看護加算=基本療養費の50/100

以下の要件を満たす訪問看護ステーションの看護師等が、その所在地から利用者宅までの訪問において、最も合理的な通常の経路・方法で片道1時間以上要する訪問看護を行った場合に加算することが出来ます。

  • 「厚生労働大臣が定める地域」に所在する訪問看護ステーションの看護師等が指定訪問看護を行う場合
  • 「厚生労働大臣が定める地域」以外に所在する訪問看護ステーションの看護師等が当該地域に居住する利用者に対して指定訪問看護を行う場合
厚生労働大臣が定める地域

  • 離島振興法の規定により離島振興対策実施地域として指定された離島の地域
  • 奄美群島振興開発特別措置法に規定する奄美群島の地域
  • 山村振興法の規定により振興山村として指定された山村の区域
  • 小笠原諸島振興開発特別措置法に規定する小笠原諸島の地域
  • 沖縄振興特別措置法に規定する離島
  • 過疎地域自立促進特別措置法に規定する過疎地域
留意点

  • 交通事情等特別の事情により片道1時間以上となった場合は算定出来ません。
  • 本加算を算定する場合、毎回、訪問に要した時間を訪問看護記録書に記載すること。
  • 「厚生労働大臣が定める地域」に該当するか否かは、地方厚生(支)局に確認すること。

加算まとめ

これまで説明してきた加算について見易く表にまとめてみました。

加算項目制限加算
緊急訪問看護加算1日につき(1回に限り)2,650円
難病等複数回訪問加算1日2回4,500円
1日3回以上8,000円
長時間訪問看護加算90分を超える場合5,200円
複数名訪問看護加算週1回まで(看護師、保健師、助産師、
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
4,500円
週1回まで(准看護師)3,800円
週3回、ただし別表7、別表8に該当する利用者、
特別訪問看護指示書の交付を受けている利用者は
制限なし
3,000円/1日1回
6,000円/1日2回
10,000円/1日3回以上
夜間・早朝訪問看護加算
または深夜訪問看護加算
夜間(18時~22時)、早朝(6時~8時)2,100円
深夜(22時~6時)4,200円
乳幼児加算(6歳未満)1日につき(1回に限り)1,500円
特別地域訪問看護加算通常の経路・方法での訪問で、片道1時間以上を要する場合基本療養費の50/100増し

おわりに

今回は訪問看護基本療養費の加算ということで、基本のお金とは別に規定された条件を満たすことで算定出来る加算の話をさせていただきました。難しい内容なので何回か見返しながら理解していっていただければと思います。

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。