『医療保険』による訪問看護 ~訪問看護管理療養費の加算8種類~

訪問看護管理療養費とは「安全な提供体制」+「計画的な管理」を条件に算定することが出来るお金のことです。

その訪問看護管理療養費を基本のお金として、それとは別に掛かる費用=「加算」というものがあります。

そこで、この記事では、その加算について説明をしていこうと思います。

難しい内容になりますが、最後までお付き合いください!!

訪問看護管理療養費の加算8種類

規定する要件を満たすことで下記の各種加算を算定することが出来ます。

訪問看護管理療養費における加算は、24時間対応体制加算、特別管理加算(2種類)、退院時共同指導加算・特別管理指導加算、退院支援指導加算、在宅患者連携指導加算、在宅患者緊急時等カンファレンス加算、精神科重症患者支援管理連携加算、看護・介護職員連携強化加算の8種類です。

24時間対応体制加算

24時間対応体制加算=6,400円/月

利用者またはその家族などから電話などにより看護に関する意見を求められた場合、常時対応出来る体制にあるものとして地方厚生(支)局支局長に届け出て受理されていることが必要となります。

訪問看護ステーションの看護師等が利用者に当該体制について説明し、同意を得た場合に月1回に限り加算することが出来ます。

留意点

  • 1人の利用者に対し、1ヵ所の事業所に限り算定する。
  • 説明にあたり、名称・所在地・電話番号・時間外および緊急時の連絡方法を記載した文書を交付する。
  • 24時間対応を実施した場合、その内容を訪問看護記録書に記録する。
  • 特別地域等において複数の訪問看護ステーションが連携して24時間対応体制加算の体制を確保した場合にも算定は可能。ただし、以下の2点に注意が必要となります。
    • 特別地域に所在する訪問看護ステーションにおいては、2つの訪問看護ステーションが連携することによって当該加算に係る体制にあるものとして、地方厚生(支)局支局長に届け出た訪問看護ステーションが算定出来る。
    • 24時間対応体制加算は1人の利用者に対し、1つの訪問看護ステーションが一括して算定する。

特別管理加算(2種類)

特別管理加算=5,000円/月 または 2,500円/月

特別管理加算は、特別な管理を必要とする利用者から看護に関する意見を求められた場合に、常時対応出来る体制や計画的な管理を実施出来る体制にあるものとして地方厚生(支)局支局長に届け出ることが必要となります。

利用者に対して、訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合に月1回に限り加算することが出来ます。利用者の状態に応じて2種類の加算額に分けられます。

留意点

  • 24時間対応体制加算を算定出来る体制を整備している。
  • 複数の訪問看護ステーションが関わっている場合、すべてのステーションで算定が可能。
  • 「在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している利用者」に対して算定する場合、訪問看護記録書に在宅患者訪問点滴注射指示書を添付の上、点滴注射の実施内容を記録する。
  • 「真皮を超える褥瘡の状態にある者」に対して算定する場合、定期的(週1回以上)に褥瘡の状態の観察、アセスメント、評価(深さ、滲出液、大きさ、炎症・感染、肉芽組織、壊死組織、ポケット)を行い、褥瘡の発生部位や実施したケアについて訪問看護記録に記録する。

退院時共同指導加算・特別管理指導加算

退院時共同指導加算=8,000円/回

退院時共同指導加算は、保険医療機関または介護老人保健施設もしくは介護医療院に入院中(入所中)で、訪問看護を受けようとする患者またはその看護に当たっている者に対し、退院(退所)に当たって、訪問看護ステーションの看護師等が主治医またはその職員と共に在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を文書で提供した場合に加算することが出来ます。

原則、1人の利用者に対して月1回の算定ですが、厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)、厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する利用者について複数日に実施した場合は2回算定することが出来ます。

初回の訪問看護実施日に加算を算定しますが、算定月の前月に実施している場合でも算定が可能です。ただし、准看護師が実施した場合は算定することが出来ません。

特別の関係にある医療機関または介護老人保健施設もしくは介護医療院からの退院・退所時にも算定が可能です。

留意点

※やむを得ない事情により参加できない場合、一定の条件の下でリアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いて参加した場合でも算定が可能となります。

特別管理指導加算=2,000円/回

特別管理指導加算は、退院時共同指導加算を算定する利用者のうち、特別管理加算が算定出来る状態に該当する利用者について、さらに算定することが出来ます。(退院時共同指導加算の上乗せ加算)

留意点

  • 月2回算定出来る利用者に複数の訪問看護ステーションが訪問看護を行う場合、1回ずつの算定も可能。
  • 共同指導を実施した際には、その内容を訪問看護記録書に記録すること。

退院支援指導加算

退院支援指導加算=6,000円/回

退院支援指導加算は、退院日に療養上の退院支援指導が必要な厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)、厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する利用者、退院日の訪問看護が必要であると認められた者に対し、保険医療機関から退院するに当たって訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)が退院日に在宅での療養上必要な指導を行った場合、1回に限り加算することが出来ます。

初日の訪問看護実施日に算定しますが、退院の翌日以降、初回の訪問看護が行われる前に死亡または再入院した場合は死亡日または再入院日に算定します。

留意点

  • 退院時に訪問看護指示書の交付を受けていることが必要となる。
  • 1人の利用者に対し、1ヵ所の事業所に限り算定する。
  • 訪問看護管理療養費を算定する月の前月に行った場合でも算定が可能。
  • 退院支援指導を実施した際には、その内容を訪問看護記録に残す。
  • 特別の関係にある医療機関または介護老人保健施設もしくは介護医療院からの退院、退所時にも算定が可能。

在宅患者連携指導加算

在宅患者連携指導加算=3,000円/回

在宅患者連携指導加算は、在宅で療養している利用者で通院困難な者について、利用者またはその家族などの同意を得て、月2回以上、医療関係職種間で文書など(電子メール、FAXなども可)により共有された情報を基に利用者またはその家族などに対して指導等を行った場合、月1回に限り加算することが出来ます。

留意点

  • 在宅患者連携指導を実施した際には、その内容を訪問看護記録書に記録する。
  • 准看護師は算定することが出来ない。
  • 単に医療関係職種間のみ、または診療を担う主治医との間のみと情報共有した場合は算定出来ない。
  • 特別の関係にある保険医療機関と情報共有した場合も算定は可能。

在宅患者緊急時等カンファレンス加算

在宅患者緊急時等カンファレンス加算=2,000円/回

在宅患者緊急時等カンファレンス加算は、在宅療養をしている利用者の状態急変や診療方針変更等に伴い、保険医療機関の保険医の求めにより開催されたカンファレンスに訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)が参加し、利用者に関わる医療関係職種等が共同でカンファレンスを行い、共同で利用者や家族などに対して指導を行った場合に月2回に限り加算することが出来ます。

留意点

  • カンファレンスを実施した際には、その内容を訪問看護記録書に記録する。
  • 特別の関係にある関係者のみとカンファレンスを行った場合も算定は可能。
  • カンファレンスの目的のみで訪問した場合、訪問看護基本療養費(Ⅰ)または(Ⅱ)は算定出来ない。
  • 原則、利用者の居住する場で行うが、利用者または家族がそれ以外の場所を希望する場合はこの限りではない。

※やむを得ない事情により参加出来ない場合、一定の条件の下でリアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いて参加した場合でも算定は可能。

精神科重症患者支援管理連携加算

精神科重症患者支援管理連携加算=8,400円/月1回 もしくは 5,800円/月1回

  • 精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者は定期的な訪問を行う場合8,400円/月1回
  • 精神科在宅患者支援管理料2のロを算定する利用者は定期的な訪問を行う場合5,800円/月1回

精神科在宅患者支援管理料2を算定する利用者の保険医療機関と連携し、支援計画を算定し、イを算定する場合は週2回以上、ロを算定する場合は月2回以上実施した場合に算定することが出来ます。

留意点

  • イを算定する場合、多職種会議を週1回以上開催、うち月1回以上は保健所または精神保健福祉センター等と共同開催すること。
  • ロを算定する場合、多職種と保健所または精神保健福祉センターが共同して月1回以上開催すること。
  • 医療機関と連携して設置する多職種チームに保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士のいずれか1名以上が参加すること。
  • 患者、家族等の同意を得て、治療計画、直近の診察内容など緊急対応に必要な診療情報について随時提供を受ける。
  • 24時間対応体制加算の届出が必要。
  • 1人の利用者に対し、1ヵ所の訪問看護ステーションのみ算定可能。
  • 特別の関係にある医療機関と連携して行う場合は算定不可。

※やむを得ない事情により参加出来ない場合、一定の条件の下でリアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いて参加した場合でも算定は可能。

看護・介護職員連携強化加算

看護・介護職員強化加算=2,500円/月

看護・介護職員連携強化加算は、訪問看護ステーションの看護師または准看護師が口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃瘻もしくは腸瘻による経管栄養または経鼻経管栄養を必要とする利用者に対し、登録喀痰吸引等事業者等の介護の業務に従事する者(以下、介護職員等)が実施する喀痰吸引等の業務が円滑に行われるよう、利用者の病状やその変化に合わせて主治医の指示により以下①および②の対応を行っている場合に月1回算定することが出来ます。

  • ①喀痰吸引等に係る計画書や報告書の作成および緊急時等の対応についての助言
  • ②介護職員等に同行し、利用者の居宅において喀痰吸引等の業務の実施状況についての確認
留意点

  • 24時間対応体制加算を算定していること。
  • 介護職員等の喀痰吸引等に係る基礎的な技術取得や研修目的の同行訪問では算定出来ない。
  • 同一の利用者に、他の訪問看護ステーションまたは保険医療機関が看護・介護職員連携加算を算定している場合は算定出来ない。
  • 介護職員等と同行訪問を実施した日の属する月の初日の訪問看護実施日に算定し、その内容を訪問看護記録書に記録する。
  • 登録喀痰吸引等事業者等が利用者に対する安全なサービス提供体制整備や連携体制確保のために会議を行う場合、会議に出席して連携し、その内容を訪問看護記録書に記録する。

加算8種類のまとめ

これまで説明してきた加算について、見易く表にまとめてみました。

加算項目利用者の状態加算
24時間対応体制加算
(月1回)
利用者からの連絡により6,400円
特別管理加算
(月1回)
・在宅悪性腫瘍患者指導管理、もしくは在宅気管切開患者
 指導管理を受けている状態にある者
・気管カニューレもしくは留置カテーテルを使用している
 状態にある者
5,000円
・在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、
 在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、
 在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、
 在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、
 在宅自己疼痛管理指導管理もしくは在宅肺高血圧疾患指導
 管理を受けている状態にある者
・人工肛門または人工膀胱を設置している状態にある者
・真皮を超える褥瘡の状態にある者
 ①NPUAP分類Ⅲ度またはⅣ度
 ②DESIGN-R分類D3、D4またはD5
・在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
2,500円
退院時共同指導加算
(月1回か月2回)
保健医療機関または介護老人保健施設もしくは介護医療院に
入院中(入所中)で、訪問看護を受けようとする患者または
その看護に当たっている者
※別表7、別表8に該当する利用者は月2回
8,000円
特別管理指導加算
(退院時共同指導加算に上乗せ)、
1回に限り
特別管理加算が算定出来る状態2,000円
退院支援指導加算
(1回)
別表7、別表8に該当する利用者に対して、退院日に訪問看護が
必要と認められた者
6,000円
在宅患者連携指導加算
(月1回)
在宅で療養している利用者であって通院困難な者3,000円
在宅患者緊急時カンファレンス加算
(月2回)
在宅での療養中に、状態の急変や診療方針の変更がある利用者2,000円
精神科重症患者支援管理連携加算精神科重症患者支援管理料を算定する患者8,400円
もしくは
5,800円
看護・介護職員・連携強化加算
(月1回)
口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引、
胃瘻または腸瘻による経管栄養または経鼻経管栄養を必要とする者
2,500円

おわりに

今回は訪問看護管理療養費の加算ということで、基本のお金とは別に規定された条件を満たすことで算定出来る加算の話をさせていただきました。難しい内容なので何回か見返しながら理解していっていただければと思います。

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。