『医療保険』による訪問看護 ~その他の療養費~

医療保険を使用した訪問看護における療養費には種類が多く、訪問看護基本療養費や訪問看護管理療養費以外にもまだまだ種類があります。

そこで、この記事では「訪問看護情報提供療養費」と「訪問看護ターミナルケア療養費」について話していこうと思います。

たくさん種類があって覚えるのが大変ですが、今回も最後まで見ていただけると嬉しいです!!

訪問看護情報提供療養費3種類

訪問看護情報提供療養費は、利用者の療養生活の場が変わっても切れ目なく支援が受けられるよう、訪問看護ステーションと各機関の連携を強化するために利用者または家族の同意を得て、自治体、学校、医療機関等に訪問看護情報提供書を用いて情報提供した場合に月1回に限り算定することが出来ます。以下、3種類に改定および新設されました。

訪問看護情報提供療養費1

訪問看護情報提供療養費1=1,500円/月

訪問看護ステーションと市区町村および都道府県(以下、市区町村等)の実施する保健福祉サービスとの有機的な連携を強化し、利用者に対する総合的な在宅療養を推進することを目的としています。

以下の算定対象者について、利用者の同意を得て、利用者の居住地を管轄する市区町村等からの求めに応じて、訪問看護の状況を示す文書を添えて、健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導等の保健サービスまたはホームヘルプサービス(入浴、洗濯等)などの福祉サービスを有効に提供するために必要な情報を提供した場合、利用者1人に月1回に限り算定することが出来ます。

算定対象

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)および厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する者。
  • 精神障害を有する者またはその家族等。
留意点

  • 訪問看護を行った日から2週間以内に所定の様式で情報提供する。
  • 1人の利用者に対し、1ヵ所の事業所に限り算定する。
  • 市区町村等が設置主体の事業所の場合は算定出来ない。
  • 情報提供の依頼者および依頼日については、訪問看護記録書に記載するとともに提供した文書の写しを添付しておく。

訪問看護情報提供療養費2

訪問看護情報提供療養費2=1,500円/月

訪問看護を利用している利用者が、義務教育諸学校に始めて在籍するにあたり、円滑な学校生活に移行できるよう訪問看護ステーションと義務教育諸学校の連携を推進することを目的としています。

以下、算定対象者について、訪問看護ステーションが利用者および家族の同意を得て、当該義務教育諸学校からの求めに応じて、医療的ケアの実施方法等の訪問看護状況を示す文書を添えて、入学または転学時の当該学校に始めて在籍する月に必要な情報を提供した場合に利用者1人につき月1回に限り算定することが出来ます。

※義務教育諸学校とは・・・学校教育法に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程または特別支援学校の小学部もしくは中学部

算定対象

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)および厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に掲げる15歳未満の小児利用者。
  • 15歳未満の超重症児または準超重症児。
留意点

  • 訪問看護を行った日から2週間以内に所定の様式で情報提供する。
  • 1人の利用者に対し、1ヵ所の事業所に限り算定する。
  • 文書提供前6ヵ月の期間に定期的に当該利用者に訪問看護を行っている訪問看護ステーションであること。
  • 訪問看護ステーションの設置主体が利用者の在籍する義務教育諸学校の開設主体と同じ場合は算定出来ない。
  • 情報提供の依頼者および依頼日については訪問看護記録書に記載するとともに提供した文書の写しを添付しておく。

訪問看護情報提供療養費3

訪問看護情報提供療養費3=1,500円/月

訪問看護ステーションの利用者が、保険医療機関、介護老人保健施設もしくは介護医療院(以下、保険医療機関等)に入院または入所し、在宅から保険医療機関等へ療養の場所を変更する場合に、訪問看護ステーションと保険医療機関等の実施する看護の有機的な連携を強化し、利用者が安心して療養生活を送ることが出来るよう切れ目のない支援と継続した看護の実施を推進することを目的としています。

保険医療機関等に入院または入所し、在宅から保険医療機関等へ療養の場所を変更する利用者の同意を得て、訪問看護に係る情報を文書により主治医に提供した場合に利用者1人につき月1回に限り算定することが出来ます。

また、求めに応じて当該文書の写しを入院または入所先の保険医療機関等と共有します。

留意点

  • 1人の利用者に対し、1ヵ所の事業所に限り算定する。
  • 入院または入所を把握した時点で速やかに情報提供する。
  • 主治医への文書提供を通して、入院または入所先へ情報提供する仕組みである。
  • 主治医と訪問看護ステーションが特別の関係にある場合も算定は可能。
  • 利用者が入院または入所する保険医療機関等が訪問看護ステーションと特別の関係にある場合、情報提供を提出する主治医が入院または入所先の保険医療機関等に所属する場合は算定出来ない。

訪問看護ターミナルケア療養費2種類

訪問看護ターミナルケア療養費は、訪問看護ステーションが下記①~③の対応を行い、在宅で死亡した利用者について死亡日および死亡前日14日以内の計15日間に2回以上(精神科)訪問看護基本療養費を算定している場合、死亡月に算定するものとして2種類に改定および新設されました。

  • ①主治医との連携の下に,在宅での終末期の看護を提供する。
  • ②ターミナルケアの実施については、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、利用者およびその家族等と話し合いを行い、利用者本人の意思決定を基本に他の関係者と連携の上対応する。
  • ③訪問看護におけるターミナルケアの支援体制(訪問看護ステーションの連絡担当者の氏名、連絡先電話番号、緊急時の注意事項等)について利用者およびその家族等に対して説明した上でターミナルケアを行う。
留意点

  • 1人の利用者に対し、1ヵ所の訪問看護事業所に限り算定する。
    • ※他の訪問看護ステーションまたは保険医療機関がターミナルケア療養費(加算)を算定した際は算定不可
  • 訪問看護ターミナルケア療養費を算定した場合、死亡した場所および死亡時刻等を訪問看護記録書に記録すること。
  • 1つの事業所において、死亡日および死亡前日14日以内に介護保険または医療保険対象の訪問看護をそれぞれ1日以上実施した場合、最後に実施した保険制度において算定する。

訪問看護ターミナルケア療養費1

訪問看護ターミナルケア療養費1=25,000円

訪問看護ターミナルケア療養費1は、在宅で死亡した利用者(ターミナルケアを行った後、24時間以内に在宅以外で死亡した者を含む)または特別養護老人ホーム等で死亡した利用者(看取り介護加算等を算定していない利用者で、ターミナルケアを行った後、24時間以内に特別養護老人ホーム等以外で死亡した者を含む)に対してターミナルケアを行った場合に算定することが出来ます。

※特別養護老人ホーム等とは・・・指定居宅サービスに規定する指定特定施設、指定地域密着型サービスに規定する指定認知症対応型共同生活介護事業所もしくは介護保険法に規定する指定介護老人福祉施設

訪問看護ターミナルケア療養費2

訪問看護ターミナルケア療養費2=10,000円

訪問看護ターミナルケア療養費2は、特別養護老人ホーム等で死亡した利用者(看取り介護加算を算定している利用者で、ターミナルケアを行った後、24時間以内に特別養護老人ホーム等以外で死亡した者を含む)に対して、ターミナルケアを行った場合に算定することが出来ます。

おわりに

今回はその他の療養費(訪問看護情報提供療養費と訪問看護ターミナルケア療養費)についてお話ししました。触れる機会が殆どなく、難しい内容なので、必要時に見直して参考にしていただければと思います。

ここでは出来るだけ簡潔に、大切な部分を抜粋して書いています。この記事に書いてあることが全てではないので、別の記事も合わせて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

それでは今回はここまでです!!これからも皆さんの力になれる情報を発信していきますので引き続きよろしくお願いいたします。